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コラム

「後味」のことを常に考えて生きよう

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宗教法人「生長の家創始者谷口雅春先生を学ぶ会」
副代表 前原幸博

「後味」が良いとか悪いとか、普段からよく耳にする言葉です。「後味」という言葉があるということは「前味」だって「中味」だってある……。
もともと、これは料理の世界で使われていた言葉です。

「前味」というのは、その店が与える第一印象のこと。店に入る前に感じる雰囲気。清潔感や期待感。「いらっしゃいませ」の明るい挨拶や笑顔もこれに入ります。

この第一印象は6~7秒で形作られるといいます。もし、これが悪ければお客様は店に入ろうとはしません。ビジネスの世界で「見た目が大事」と言われるのも宜(むべ)なるかな。

「日本人は目で食べる。西洋人は鼻で食べる。中国人は舌で食べる。アメリカ人は胃で食べる」という言い方があります。確かに、日本料理は使用する器から、盛り付けの彩(いろど)りまで、目を楽しませてくれます。これもまた「前味」の一つと言えるのかもしれません。

次に「中味」。言うまでもなく、料理そのものの味のことです。美味(おい)しくなければ料理ではありません。しかし、いくら美味しくても健康を害するものであれば話になりません。見た目が良くて、美味しくて、しかも栄養も十分。

しかし、それでも「後味」が悪ければ、総てが帳消しとなってしまいます。お客様が帰る際の接客にしくじれば、所謂(いわゆる)、風評被害を招き、二度と来店してはもらえません。
だからこそ、日本ではこの「後味」をとても重要視してきました。古くから日本に伝わるおもてなしとして、「お出迎え三歩、お見送り七歩」という言葉があります。お客様をお迎えするときは、迎える場所から三歩歩み寄ってお迎えをする。お見送りをするときは、送る場所から七歩先まで歩み出て、そしてお客様のお姿が見えなくなるまでお見送りさせていただく。
見送りは〝身〟送りなり……。この「後味」を心に掛ければ、人間関係も必ずうまくいきます。それが〝丁賞感微名〟の法則と言われるものです。

「丁」……どんな相手にも丁寧に接する
「賞」……相手を心から賞(ほ)める
「感」……感謝する
「微」……微笑(びしょう)を絶やさない
「名」……相手の名前を覚え、名前でお声かけする

これらは、すべて相手を大切に思う心の現れです。『生命の實相』頭注版第38巻「幸福篇下」に、こうあります。

《常に、愛のことを、深切(しんせつ)のことを、心に残る後味のよいことを考えるようにしなければならぬ。ピシリと相手をやっつけても、そのあとで心が後味の悪さで苦しむようでは、その人は相手に負けているのである。勝つとは、後味までも歓(よろこ)べることである》(191~192頁)

自分のことをここまで大切に思いやってくれるのか……。所謂(いわゆる)、相手の「自己重要感」を満たすように心がければ、自(おの)ずとそれが「後味」のいい生き方となるのではないでしょうか。その「後味」は決してその場限りでは終わりません。後々までも尾を引きますから、「後々味」とも言われることを心得ておきましょう。

月刊『谷口雅春先生を学ぶ』令和3年8月号より
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