作　くすり・きくぞう
絵　かわい・えがお

○球春到来

球界と政界、実によく似た言葉があります。右翼、左翼にはじまり、巨人ファンのことをＧ党と呼び、原監督率いるスタッフのことを原政権とか原内閣と言ったり、また党を担う有望な人材をエースと言ったり……。

政権を離れたら「初心に帰って球拾(たまひろ)いから始めます」と言い、また総選挙のことを国民の審判を仰(あお)ぐとも言います。微妙な政治発言があれば、これはギリギリセーフとか、これはアウトとか言ったりもします。内・外野で野(や)次(じ)が飛び交うところも似ています。

右の本格派、安倍主将（首相）の途中降板を受け、急遽、リリーフに立った菅投手（党首）には捕手（保守）に向かって外連味(けれんみ)のないまっすぐで真っ向勝負していってほしいものです。

躱(かわ)してばかりでは、却(かえ)って枝野投手（党首）に内角攻め（内閣責め）に合うのは必定。しかし、それがぜんぶ左にそれる荒れ球ばかり……。これでは至急（四球）交代もあり得るのでは……。ところが如何(いかん)せん、控えがこれまた左ばかりの二線級……。隠し球もないようで、支持率もドロップの一途。もう、こうなると敵失に頼るしかなさそうです。


○ 長電話

夫「よくもまあ１時間も２時間も長話ができるもんだ、呆(あき)れるよ」

妻「女には、それが何よりのストレス解消なのよ」

夫「でも、さっきは珍(めずら)しく30分ぐらいじゃなかったか」

妻「だって、間違い電話だったから」

夫「……」